第23回ペインクリニック診断研究会
2018年9月20日(木)『第23回ペインクリニック診断研究会』を開催しました。
●開催ご報告
■以下は会場風景です。
●開催概要
第23回演者である高橋 寛 先生は、脊椎外科がご専門でMinimally Invasive Surgery(MIS)からOpenまで幅広くオペをなさっております。また慢性腰痛症におきましても、腰椎由来の痛みには整形外科的治療も含め積極的に関与なさっております。先生の腰椎についての造詣の深い講演が聞けると期待しています。
日 時: 2018年 9月 20日(木)19:15〜
場 所: ベルサール新宿グランドコンファレンスセンター
〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー5F
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対 象: 医師、および、医療従事者
参加費:1,000円(税込)
当番幹事:木下 勉 先生(徳寿会 相模原中央病院 副院長・麻酔科ペインクリニック部長)
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●プログラム
【 開会挨拶 】
宮崎 東洋 先生(東京クリニック 院長 / NPO法人ペインクリニック普及協会 理事長)
【 特別講演 】
座長:木下 勉 先生(徳寿会 相模原中央病院 副院長・麻酔科ペインクリニック部長)
『慢性腰痛症に対する除痛のアプローチとその問題点』
高橋 寛 先生
東邦大学医学部 整形外科学講座 教授
■ 演題抄録 ■
高齢化社会の進行に伴い、運動器に痛みを有する患者数は増加している。特に腰痛は日本人の90%が一生に一度は経験するとされ、平成28年度の国民生活基礎調査の性別にみた有訴者率では男性で1位、女性で2位である。労働者が腰痛のため休職する事による経済的損失も莫大であることが報告されている。
腰痛を主訴として医療機関を受診した際に、原因が特定できるいわゆる特異的腰痛は15%とされ、残りの85%は理学所見、画像所見からその起源が明確に特定できない非特異的腰痛であると言われている。我が国の疫学調査でもX線所見で変形性腰椎症を認める方のうちわずか1/3しか痛みを訴えないとされている。特異的腰痛であっても、罹病期間が長く、患者側、医療者側の理由で保存的治療に固執した場合、その治療成績は不良となる。近年の研究では、非特異的腰痛の2/3には、多かれ少なかれストレス、不安、うつなどの心理・社会的要因が関与しているとされ、慢性腰痛患者の脳イメージングの研究から、慢性的な痛みは局所だけでなく脳の器質的な障害を生じる事も報告されている。
したがってあらゆる知見を動員して可及的早期に痛みの原因を特定すること、改善する可能性がある場合には早期に手術を行うべきである。治療に難渋した場合、あるいは外科的な治療が奏功しないと考えられた際には速やかに薬物療法、ペインクリニック等による多面的な治療が必要となる。
本講演では、我々の経験から診断方法、治療法、難渋した症例などにつき紹介する。
※本会後、意見交換会を予定しております.
●お問い合わせ先
「NPO法人ペインクリニック普及協会(PRPAIN)」事務局
E-Mail:info[at]prpain.org
※[at]を@に変更してお送りください.