第18回ペインクリニック診断研究会
2016年4月21日(木)『第18回ペインクリニック診断研究会』を開催しました。
●開催ご報告
参加者100名を超える満員御礼!本会場・サテライト会場ともに、多数のご参加有り難うございました。
今回第18回は、総合診療医として地域医療に奮闘しつつ、疼痛治療の診断・治療方法の探求と均てん化、多職種連携を目指して多岐にわたり活躍されている 小林 只 先生(弘前大学医学部附属病院 総合診療部)をお招きして、幹事 田邉 豊 先生のもと開催されました。
新たな知見を具体的な事例とともにご講演いただき、さらに実技供覧もいただきました。参加者の皆様全員が、集中して視聴されるご様子がすごく印象的な有意義な時間となりました。
ご参加いただいた皆様も大いに新たな知見と診療アップデートの場としてお役立ていただけたことと思います。
次回第19回は、幹事 岡本 健一郎 先生(昭和大学横浜市北部病院 緩和医療科 教授)のもと、9月 8日(木)同会場にて開催予定です。詳細は確定次第、掲載させていただきます。お誘い合わせのうえ、奮ってご参加ください。よろしくお願いします。
■講演動画≪会員限定コンテンツ≫
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『Fasciaから再整理する軟部組織病変の診断と治療
〜「解剖・動き・エコー」による診断・治療技術の標準化と発展を目指して〜』
小林 只 先生
弘前大学 総合診療部
収録日:2016年04月21日(木)
■以下は会場風景です。
●日時: 2016年 4月 21日(木)19:15〜
●場所: ベルサール新宿グランドコンファレンスセンター
〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー5F
交通アクセスはこちら
●対象: 医師、および、下記要件の医療従事者
※本会運営上の事情につき、医師以外の医療従事者のご参加は以下2点要件とも満たす方に限定とさせていただきます。
@「PRPAIN会員医師の関係者」A「大学/病院/クリニック所属」
●参加費:1,000円(税込)
●当番幹事:田邉 豊 先生(順天堂大学医学部附属練馬病院 麻酔科・ペインクリニック)
開催案内パンフレットはこちら
●テーマ:
【 開会挨拶 】
宮崎 東洋 先生(東京クリニック 院長 / NPO法人ペインクリニック普及協会 理事長)
【 特別講演 】
座長:田邉 豊 先生(順天堂大学医学部附属練馬病院 麻酔科・ペインクリニック)
『Fasciaから再整理する軟部組織病変の診断と治療
〜「解剖・動き・エコー」による診断・治療技術の標準化と発展を目指して〜』
演者:小林 只 先生(弘前大学 総合診療部)
=ご講演とともに実技供覧もあります.ぜひ充実した時間をご一緒に=
■ 演題抄録 ■
“生物は外胚葉生物から進化した“という発生学の知見からも、人が痛みを感じる解剖学的部位の多くは「膜 Fascia」と推察される。Fasciaは繊維性結合組織の総称で、その配列構造と密度から漿膜(髄膜・腹膜など)や皮下組織・脂肪織・筋膜・靭帯・腱などに分類される。筋膜性疼痛は、そのうち筋膜Myofasciaに注目した概念である。Fasciaによる痛みは関連痛として遠隔に感じることも多く、姿勢や動作の癖・全身の軟部組織の連続性などの影響も大きいため、必ずしも自覚症状部位を治療すれば十分とは限らない。十分な治療には病歴・動作分析・検査から自覚症状の元となるFasciaやその繋がりを検索することが重要である。異常なFasciaの特徴は、乾燥(局所の水分量低下)と癒着(組織同士の滑走性低下)と示唆されているが解明されていない。臨床上、異常なFasciaの評価は、1)可動域制限・疼痛誘発動作、2)エコーによる組織の滑走性低下および伸張性低下、3)圧痛点、で行う。“生理食塩水注射によるFasciaリリース”という手技は、Fasciaの滑走性改善と局所補液を目的とした注射であり、A)局所麻酔薬による合併症の回避、B)神経・血管周囲のFasciaも安全に治療、C)治療後の患者の安静時間短縮、など利点が多い。
我々は、“解剖・動き・エコー”、“Fasciaの癒着程度のGrading”、“Fascia&Joint spaceによる病態の再整理”等の提案のもと、軟部組織の病態と診断方法(腰痛症:仙腸関節・椎間関節・筋膜など複合病態を関節構成靭帯・軟部組織Fasciaと関節腔Joint spaceで整理。肩関節:烏口上腕靭帯複合体 CHL complexを中心とした筋・腱・靭帯・関節包Fasciaと関節腔 Joint spaceで整理)と治療方法(徒手・鍼・注射・鏡視下手術・物理療法・運動療法など)の系統化による多職種連携を目指している。
※本会後、意見交換会を予定しております.
●お問い合わせ先:
「NPO法人ペインクリニック普及協会(PRPAIN)」事務局
E-Mail:info[at]prpain.org
※[at]を@に変更してお送りください.